嗤うケダモノ
って、んなワケねーよ。
格闘小説じゃねーし。
てか格闘技ネタなんて、ダレも知らねーし。
「あー…
腰、ツラかったぁ…」
身体を伸ばした由仁は、片手で腰を叩きながら言った。
そーなの。
ずっと中腰状態でキツかったからネ。
階段部分は、ちゃんと天井高いしネ。
だが、楽な体勢になったからといって、ご機嫌は直らない。
由仁は、茫然自失で足元に転がる清司郎を冷めた目で見下ろした。
「君ねー…
『お父さんのせい』とか。
『お父さんが悪い』とか。
本気で言ってンの?
バカなの?」
え… 『君』て…
その人、アンタのオトーサン…
「全部、君のせいじゃん。
君がガキだから親父サンが心配して、とんでもねーコトやらかして、こんな結果になったンじゃん。」
あー… えと…
だからソレ、オトーサ…
‥‥‥ま、いっか。
「僕は悪くない!
僕は千鶴子を愛しただけだ!」
非難めいた…いや、むしろ非難しかない由仁の言葉を聞いて、清司郎は血を吐くように叫んだ。