嗤うケダモノ
「‥‥‥は?」
告白された夜と同じ、史上最悪のマヌケ面で日向は由仁を見た。
「ヒナ、結婚しよう。
いや、結婚してクダサイ。」
もう一度キッパリそう言った彼は、頬を引き締め、真摯な眼差しで日向だけを見つめていた。
やはりあの夜と同じ、笑みの欠片もない真剣な表情で…
そんなイイ顔して、この人なんてった?
結婚してだと?
コレは…
まさかのプロポーズぅぅぅ??!!
「こんな状況で─────??!!」
日向は吼えた。
てか、もはや絶叫だ。
彼女は完全にキャパオーバー気味だが、そんなコトは全く気にせず、由仁は言い募る。
畳み掛けるが如く。
「状況とかカンキョーとかマンゲキョーとか、どーでもイイから。
ヒナみたいに可愛くて、男前で、真っ直ぐで、誰かの気持ちにピッタリ寄り添える優しいコ、他にいないと思う。
逃がす奴はバカだし、俺はバカじゃねーし。」
「はゎゎゎゎゎ…」
「だから結婚しよう。
すぐしよう、今しよう。
俺なら、ヒナを誰かに奪われたりしねーし。
連れてかれても捜し出すし。
なんだったら、その前に俺がヒナを監禁」
「充分バカだわ─────!!」