嗤うケダモノ
ハイ、大成功。
由仁はいつの間にか日向を膝に抱き上げ、その華奢な身体をスッポリ腕の中に収めていた。
あまりにも自然な流れすぎて、獲物は捕獲されたコトに気づいていない。
由仁はニヤリと唇の端を歪めた。
「さーて。
まるっと解決したトコロで、俺のオネガイを聞いてもらおっかナー。」
「は… え… っっ??!!///」
あ。気づいた。
でも、逃がさねーよ?
由仁は慌てて身を捩る日向の腰を強く抱き寄せ、赤く染まる小さな耳にそっと囁く。
「ほんとに俺のカノジョになっちゃおっか?」
「お断りしマス!
過剰請求だと思いマス!」
あら、即答。
でも想定の範囲内。
いきなり『カノジョになれ』なんて言われて頷く女は、マンガや小説の中にしかいない。
てかそんなんじゃ、逆にヤる気失せる。
だから今はコレで手を打とう。
二回目は、サスガに断りづらいでショ?
「じゃ、ヒナのケー番とアドレスでいーよ?」
胸をグイグイ押して距離を取ろうとする日向を腕の中に閉じ込めたまま、由仁は妖艶に笑った。