嗤うケダモノ
案外簡単に捕獲完了?
嬉しーケド、もーちょっと刺激が欲しかったカナー…
いやいや、待て待て。
彼女はそーゆータイプじゃねーだろ。
もっと一筋縄じゃいかないカンジだろ。
じゃ、この電話はナンダ?
さらなる刺激への序曲とか…
「もっしー。ヒナ?」
由仁は緊張と興奮を巧みに隠しながら、ナニゲない調子で電話を取った。
『コンニチハ、木崎です。
先日はお世話になりました。』
ぅわ。
わざわざ名字で名乗り直しちゃったよ、このコ。
距離置かれまくりじゃん。
でも、コレコレ。
コレでこそ彼女だ。
「どしたの?
俺に会いたくなったー?」
『いえ、全く。』
…コレは冷たすぎマセンカ?
膨れっ面に戻った由仁が、唇を尖らせる。
「じゃあ、なんの用?」
『先輩、もう一度お祓いしていただけませんか?』
序曲、キター。