病まれても困るわー…

“俺と一緒に来てもらおうか”

これは、つまり…

『リンチするから来いや』

ってこと⁉︎

恐怖やら緊張やらがピークに達した私は目から滝のように涙が流れた。と、止まらない…

志麻と戸山先輩の驚いた顔がボヤけて見える。


「お、おいひよちゃん!どうした⁉︎俺なんか怖いこと言ったか⁉︎」

「バカか⁉︎いきなり不良に一緒に来いなんて言われたら怖いに決まってんだろ‼︎」

「ひよのことだから多分…リンチされるとでも思ったんでしょうねぇ」


紀紗ちゃん…その通りです。はい。
私は泣きながら頷いた。


「えぇ⁉︎マシで⁉︎違う違う!ただ、会いたいって奴がいるから会ってほしいだけ!」

「あっ…会って、ほしい…?」

「そ。そいつに会ってちょーっと話するだけでいいのよ」

「ほんと…に?」

「ほんとほんと」

「ウソだったら許さねぇ」

「追い詰めてあげるわぁ…社会的にも…精神的にも」


2人が怖い…怖すぎて涙も引っ込んだよ。

「ほんとだってば!…とりあえず、こっち。着いて来て」


戸山先輩は有無も言わせず私の腕を掴み、歩き出した。
私は慌ててお弁当をしまい込み、ついていった。
2人もお弁当をカバンにしまい、一緒について来てくれた。

その間…


女の子の冷たい視線が、怖かったです。



< 10 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop