病まれても困るわー…
ひよわむし…
【日弱虫】
いじめられ始めた頃、彼、【檜山春】今では【東海道春】が私の名前とかけてそう名付けた。
彼は、他の男子に私をいじめさせ、自分は傍観していたとき。
急に“あ…そうだ”と言い、他の男子を集めだした。
私物をキャッチボールのように投げられ、私は泣きながら追いかけていた。
それが彼の一声でピタッと止まり、その場を離れた。わけもわからず放置された私。そして同じく放置された私物を泣き止まないまま拾い集めてた。
“どうした?春くん”
“………いやさ……あの子…ひ弱だし、弱虫で、泣き虫だからさ……日和子って名前にかけて…【日弱虫】ってどう?”
“………”
みんなはポカンとしていたが、1人が噴き出すとみんなつられ、笑いだした。
“いいね!それ‼︎”
“それけってー‼︎やーい!【日弱虫】‼︎”
“明日みんなに広めようぜ‼︎”
などとはやしたて、転校するまでそのアダ名で呼ばれ、いじめは続いた…
いじめられていた4年間。その中で一番怖かったのは…
彼が言うたった一つの発言が…
みんなを変えてしまうことだった。
そのアダ名知っててかつ名前が【春】ってことは…
「檜山……春…」
「やっと、思い出して…くれたんだ………親が離婚し、母方に引き取られて…でも、すぐに再婚してさ…今は…【東海道春】になったんだ…よね…
…嬉しいよ………すごく会いたかった…」
そう言って彼…【東海道春】は…
誰もが見惚れるくらい、とても綺麗に笑った。
だけど…
その笑顔は、
私にとっては…
…恐怖でしかなかった…