病まれても困るわー…
東海道先輩は睨みつけたまま戸山先輩に近づき、いきなり胸ぐらを掴んだ。さすがの戸山先輩もビックリしていたが、すぐにニコッと笑った。でも、ドス黒い…
「春…なにすんだ?」
「…アキ…お前……
【俺のひよ】を呼びすぎ…見つめすぎ…近づきすぎ…
お前好きになったら……
……お前殺す…」
今。【シーン】って効果音が聞こえてきそうなぐらい静かになった。
なんなのこの人…こ、こここ、怖っ‼︎‼︎‼︎
「……はぁ…お前さ。そんなに嫌ならその倍名前呼んで、その倍見つめて、その倍近づきゃいいじゃん。お前の方好きになるかもよぉ?」
「あ……そうか…それも、そうだな…」
何言ってるんですかぁ‼︎ふざけな……戸山先輩ニヤニヤしてる…!絶対おもしろがってるぅ‼︎‼︎
東海道先輩も納得しないで下さいっ単純めっ
え⁉︎と…東海道先輩が…こっち、くる…‼︎
「おい…」
「!…は、はい…」
「……ひっ…ひひ……日和子っ…!」
ただ呼ばれただけなのに、名前を言われた瞬間恐怖心が蘇り、滝のように涙が溢れ出てきた。
「⁉︎⁉︎⁉︎」
「う…うえっ…ふぇええっ…」
今度は志麻に抱きしめられる私。東海道先輩は無表情だけど、ショックを隠せてない。戸山先輩もビックリしていた。
「…もしかしてぇ、東海道先輩そのものが、トラウマになってるんじゃないのぉ?」
と、紀紗ちゃんがボソッと呟いた。
…確かにそうかも…
呼ばれた時も、触れられそうになった時もいじめられていた恐怖心が蘇ってきた…
「確かに。4年間だろ?そりゃあトラウマにはなるわ」
「ましてや小学生の時でしょ?キズ深くなるに決まってるわよぉ〜」
「春…自業自得だ」
「…お…俺……トラウマ……?」
…すいません…トラウマは確実です。
私は素直に頷いた。
あ、完璧ショック受けて落ち込んでる。