病まれても困るわー…
崩れ去って…
西森くんに教科書を見せるため、机をくっつける。
…なんか女子に睨まれてるような気がする。まあ西森くん身長は160センチしかなさそうだけど整った顔してるからね。
大きなクリクリした目、八重歯がかわいらしい。
あー…すごい睨まれて…いや!見ない見ない…!
てか見れない!
…それより、なんで名前知ってるのか聞いてみよう。
まぁ、多分「友達と話してるときそう呼んでたから〜」とかだろうけど、気になるし、一応、ね。
「あの…西森、くん」
「やだなぁ、夏月でいいよ〜。あ、【かづくん】でも、【なっくん】でも【なつくん】でもなんでもいいからねぇ」
「え、じ、じゃあ、か、夏月くん。名前言ってな…いのに、なんで私の、名前知って、るの?」
「そりゃあ…
ハル先輩が言ってたから〜」
…ハル……?
名前を聞いた瞬間、私は、非汗と震えが止まらなくなった…
同時に、小学生の頃を思い出した。
その時一番最初に思い出したのは…
無口無表情なのに、みんなから慕われていて、私をいじめていた中心人物で
みんなから
春(ハル)
と呼ばれていた子だった…