病まれても困るわー…
“オドオドしてて…ムカつく…”
そう言って何回も叩かれ蹴られた…
“泣きすぎ…気持ち悪りぃ…”
そう言って何回も悪口言われた…
毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日
何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も……
「………………日和子ちゃん?」
ハッとして夏月くんの顔を見たら、心配そうな表情を浮かべていた。
そうか、今私は高校生で、授業中だった…
「だ、大丈夫。ボーッとしてただけ、な、んでも「ないようには見えないけどなぁ…すごく苦しそうな顔してたし、それに…はい、これ」
私の言葉を遮り夏月くんは呟いた。そして、カバンからくしゃくしゃになったポケットティッシュを取り出し、私に差し出してきた。
私は不思議そうにティッシュと夏月くんの顔を交互に見た。
「…顔…」
そう言われ、頬に手をやると、濡れていて、自分が泣いていることに気づいた。
慌ててティッシュを数枚取り出し、顔を拭いた。目は真っ赤になってそう。
泣いてしまうとは…トラウマってやつかな?
「あのさ…ハル先輩になんかされたの?」
「な、なんでもないよ。ただ、ちょっとい、嫌なこと思い出しちゃった…だけ」
「そっか…ま、あえて深くは突っ込まないでおくよ」
「ん…そう、してもらえる、と…助かる…」
不良だけど、夏月くんは優しい人だな…
落ち着いてみて思ったけど、もしかしたら同じ名前で違う人かもという可能性があった…!
「ね、夏月くん…」
「ん?」
「その、ハル先輩って…苗字なんていうの…?」
「確かー…
【東海道】
だったはず」
そこで授業終了のチャイムが鳴った。