病まれても困るわー…

東海道…


確か、彼の苗字は…

【檜山】


うん!別人だ!きっとそうだよ!多分…
珍しいこともあるものだ、と無理矢理納得することにした。







昼休み。
私と志麻と紀紗ちゃんと教室でお弁当広げていた。その時には【東海道春】という人のことは頭から抜けていた。

あ、夏月くんは一時間目の授業出た後、どっか行ったまま昼休みになっても帰ってこない。どっかの溜まり場にいるんだろうと、気にしなかった。


「なぁ。やけに廊下騒がしくね?」

「本当ねぇ耳障りな甲高い声で。鬱陶しいわねぇ」

「いや、言い過ぎだろ…」

「でも、な、なんだろうね…」


そう。廊下から黄色い声援が聞こえる。たまに「アッキー」とか「アキさーん」などといった名前が飛び交っている。
【アキ】って…誰?

てか、だんだん声援が近づいてくる…!
そう確信した途端!

ガラッ‼︎

と、教室に入ってきた。
茶髪のウルフカット(ってゆうの?)なんだけど、襟足を黒く染め、伸ばして細く少し長めに束ねてる。両耳にリング型のピアスしてて、カッコ良く制服を着崩してる。
そしてなんといっても、目鼻立ちが整いすぎている美形…たれ目がたまらない‼︎


…って、近くにいた女の子が叫んでた。



入ってきた彼は

「ども‼︎野木日和子ちゃんはいますかぁ⁉︎」


と尋ねてきたよ…‼︎しかも


わ、


私に用ですか⁉︎






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