病まれても困るわー…
今、私の名前言ったよね、い、行った方がいいのかな…?
困り果てて志麻と紀紗ちゃんの顔を交互に見る。
どっちも嫌そうな顔…
「ひよ。今呼ばれたから行こうか迷ってただろ」
「…!…う、ん…」
「無視しなさい。ああゆうわけわからない人は無視するに限るわぁ」
「うん…だけど……あの人………こっちすんごい見てる…」
だいたい紀紗ちゃんが「無視しなさい」って言ったらへんからこっちに気づいてずっと視線を向けたまま…
あぁ…こっちに来たよー…
3人揃って窓の外を見つめ、気づかないフリ。でもすぐそばまで来た。口元に手を当てたまま皆定めするように見ている。
少ししたら視線が私でとどまった。
背中に【アキさん】とやらの視線と、周りにいる女の子の冷たい視線が突き刺さって、痛いです…
「もしかして…ボサボサの子、野木日和子ちゃん…?」
「はい!……あ」
思わず返事しちゃった…【アキさん】は笑ってる。反対に志麻と紀紗ちゃんは苦い顔…すいません。
「…バカひよ…」
「はぁ……それでぇ、戸山(トヤマ)先輩は、この子に何かようですかぁ?」
「あれ?俺の名前知ってたの?」
「ここら辺でわぁ、戸山秋俊(アキトシ)って名前は有名ですからねぇ…ある意味…」
「ふぅん…結構知ってるねー…」
ふ、不穏な空気…もういっそのこと早く帰りたいよ…
「ま、いいや。用があるのは日和子ちゃんだけだし。日和子ちゃん。…いや、ひよちゃん」
「なんで呼び方変えたんだよ。存在含めてマジ意味不明」
「気安く呼ばないでほしいわねぇ」
「し、志麻…紀紗、ちゃん…」
怖いもの知らずですね…あなたたち…
でも、戸山先輩(?)はヘラヘラしたままで気にしてない感じ。
「ぶっ…!俺のこと知っててイヤミ言うとは…オモシロッ‼︎…面白いから君達3人。俺と一緒に来てもらおうかな」