鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
消えてきれいさっぱりなくなってしまえば良い。
こんな悲劇を繰り返すのなら
私も僕もいなくなった方が良いんじゃないか?
高崎はあぁ言ってくれたが、
もし…
もし私が荷物になるようなことになったら、
お世話になっておきながら失礼だが、
消えよう。
涙が枯れるまで泣き続けた…
あぁ…
ずっとこの場に1人でいられたら、
どんなに良いことだろうか…
そんなのは現実逃避。
分かってる。
分かってるんだそんなこと。
けれど、
私がいて傷つくのなら……
私は1人その空間で決意した。
私が消えたら…
僕は残るだろう。
それまで私は1人、
此処で眠っていよう。
時が来るまで……