鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
梓を待ち伏せしていると、
周りに何か準備を始めた女学院生。
事情聴取とかいって
和也が女学院生に聞きにいったところ、
ー『月城様をお待ちしていますの。』
ー『今日もバッチリ写真撮って、
保存しなくてはいけませんので♪』
とか言って、
ナンパは1人もかからなかったらしい。
ってか、
梓の入れ知恵らしい。
ー『月城様が、"僕を理由にそういうのは
断らないと君たちが危ない目に合うよ?
僕はいろんなところに顔がきくから、
理由とかなんでも使って良いから。
だから絶対に自分の身は守ってくれ。"
って言ってくれたんです。
それから私達女学院生は、
月城様に守られているも同じようで、
しかも危ない目に合いそうになったら
助けに来てくれるんです♪』
…まるで、
話の中の王子みたいな生活だな……
梓は女学院では、
女子としてでも男子としてでもなく、
騎士-ナイト-として動いていたのか…
そこまで女学院に執着しているのなら…
そんなことも可能なのだろうか…
そんなことを考えていると、
門の前にスイスロールが止まった。
何処かで声があがる。
ー『キャー!!
今日は車でいらっしゃったわよ!!』
ー『あの方はいらっしゃられるのかしら!!』
梓…
なのだろうか……
そして後部座席のドアが開き、
男が出てくる。
そこにも声があがる。
ー『昂様だわ!!』
ー『このツーショットは
絶対に取らなくては!!』
男は昂というらしい。
身長は180cmくらい、
黒い髪で端正な何処か浮世離れした顔立ち。
一言で言えば美形な男だった。