鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
「そ…うか……」
何故そんなに悲しい顔をする…
やっぱり私のせいで高崎も
何か嫌なめにあったんじゃないのか?
やっぱり私は
イラナイコ?
僕の頬を温かい何かが
僕を撫でるように流れ落ちて行く…
「おっおい!
なんで泣いてんだよ!?」
泣く?
僕が?
頬を伝う温かいものを指先ですくう。
涙なのか…
此れは…
でも正直じゃない強くないといけない僕は、
「泣いてなんかいない。
これは目にゴミが入ったんだ。」
それらしいことを
言い訳にして…
涙を隠そうと試みる。