鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
それからは二人で、
何故か笑いあった。
帰りざま高崎は、
「絶対に梓を俺たちの…
俺の姫にするから
覚悟しとけよ…」
何て言って去ろうとするから
僕は…
「あぁ…
やってみろよ、空遥…」
自分で言ったのに、
何か恥ずかしくて俯いてしまった。
そんな僕を見ているはずの空遥は、
「フッ…
上等じゃねぇか…」
な~んて格好つけて保健室を出ていった。
僕は起き上がり、
クラスに戻る支度をする。
そして気づく。
「あぁ!?」
制服が派手に着崩れ、
ブラが見えそうなところまできていたことを…
そういえばアイツ…
僕と会話したとき全然目をあわせていない…
知ってたなら…
気づいてたなら…
言えよ!?
全く…
なんて思いながらも、
アイツ…アイツ等に会うことを
毛嫌いではなく、
楽しみにしている僕は…
やっぱり
最低なのだろうか…
少し考えながら、
支度を済ませ確認をする。
「制服大丈夫。
髪の毛もとかしたし、
ってか元々そんなに長くないし…w」
そして僕は、
晴れやかな気持ちで
クラスに向かおうと、
ドアを開けると
「キャ~♪」
黄色い歓声が…