鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
僕が保健室を開けると、
女学院の生徒たちがいた。
ってか、
だから授業は?
と思い、時間を見る。
…アレ?
放課後だ…
そういえば、
夕焼けが見える…
そんなに長く眠ってたのか…
「月城様!
お身体は平気でございますか?」
「月城様?」
「心配いたしましたのよ?」
生徒の声が僕み耳に響く。
心配そうにしていて、
何故カメラを持っているのかは不明だが…
しかも同学年だけじゃなくて、
2、3年の先輩方も混ざってませんか?
それでも迷惑をかけたのだから、
「有難う。
もう身体は平気だよ?
皆も心配してくれて、
ダメな生徒会長でゴメンナ?」
シュンとなる僕。
本音がポロリと混じった。
すると、
女学院生は目をキラキラさせ、
パシャパシャと
写真を撮り始めた。
え?
どこにそんな要素あったの?
ねぇ…
どこにそんな…
「待っててくれたんだよね?
一緒に門のところまで行こうか?」
あくまでもレディファーストな僕は
そう言う。
そして当たり前のように、
僕は女学院生を連れ、
門のところまで送る。
挨拶をすると、
顔を茹で蛸にする彼女たちを不思議に思いながらも、
僕は車が来るのを待った。