ナムストーンPART1

ナセルベックハム4

その日ナセルは香水を届けて戻り道で仙人の一人に出会った。
仙人は白ひげの奥の細い目でにっと笑い右手で路地裏を指差した。

東洋人の3人が道に迷っている。仙人とナセルは一緒に
3人の前に現れた。一人は女性だ。

「オーマイフレンド!」
東洋人の一人が笑みながらあっちかと指差して声をかけてきた。
もう何回か出くわしているみたいだ。ナセルが仲に入った。
仙人は一言もしゃべらないのだ。

「何か買い物でも?」
「いえ、私たち3人は日本で教師をしています。
ぜひカイロの小学校を見学したいのですが」
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