ナムストーンPART1

ケムンアタチュルク2

あまりの歴史の重さに書物に疲れたときにケムンは、
ブルーモスク近くの壊れかけた砲台跡にたたずむ。

ここからはガラタ橋がよく見える。ボスボラス海峡を
挟んで橋の向こうがウシュクダラ、アジアだ。

シシカバブといわしのから揚げをほおばりながら
じっと海を見つめる。またコーランが鳴り響き始めた。

そうしたある日、いつものようにケムンは砲台跡にたたずんで
じっと海を眺めていた。曇り空で今にも雨が降りそうだ。

黒雲に稲妻が走った。まちがいなく雨が降ると分かっている
のに不思議と走って教室に戻る気持ちにはならなかった。
蒸し暑い初夏のせいでもあったのか。

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