ナムストーンPART1

レイシッキム2

夜明け前から一つ一つ丁寧に並べていく。
祈りをこめて並べているのだろうか。
ひとつひとつが彼らのオリジナル作品である。

並べ終わったあとは作りかけのブレスやネックレスに
磨きをかけている。ほとんどがシルバーだ。

ネパールにもカースト制度が根強く残っていて、
専門店は大昔からの伝統を正確に継承し、

格調高い緻密な工芸品群作っている。
しかし若者には興味の湧かない代物ばかりだ。

祖母はここでしか注文をしない。デザインは
孫娘の好みに合わせようとするから、
中央寺院の路上で売ってる好みのデザインになる。

路上の若者たちはカーストの職制の中ではあっても、
常に斬新なデザインを次々と発表している。レイは、

「ニューヨークあたりで売れば売れるだろうな」
と思いつつ、祖母の目を盗んで路上のアクセサリーを
少しずつ買い集めているのだ。

祖母は近寄ってよく見ようともしない。
カーストは交わるべきでないと、
いつも横を向いて辛抱強く孫娘と付き合っている。
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