ナムストーンPART1

大洪水5

ラインの本流が逆流いている。
水没していた道路がはっきりと姿を現してきた。

車も人影もまったく見当たらない。
ほどなくフランクフルト市街に入る。

激しい雨の中、町の中央を抜ける。
よく泊まったユースホステルが川沿いに見える。

あの懐かしい川床も完全に水没していた。
すごい川の水のボリュームに圧倒される。
早くゲッチンゲンに向かおう。

フランクフルトからアウトバーンに入る。
かなりの車が北に向かっている。
それでも移動のピークは過ぎたようだ。

このままいけば夕方には我が家へたどり着け殴打。
それにしても何度も通ったライン沿いのあの道も
今日は恐ろしかった。

何十年かに一度こういうことがあるそうだ。よくもまあ
軍隊も撤収したそのあとを無謀にも走り抜けるとは。
キーツはあらためてナムストーンに身震いがした。
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