極上恋愛〜腹黒男子は危険です〜
今日は本当に楽しかった。
颯人先輩とイルカショー見て、水槽トンネル潜って、ペンギンガン見して、光るクラゲに興奮して。
すごく楽しいはずなのに。
たまに、ふと、大和くんのことを思い出す。
こんな時、大和くんは一体どんな風にするんだろうって。
「結花、それも買うの?」
「え....」
颯人先輩に言われて気づいた。
私が無意識に小さなイルカのぬいぐるみを持っていたことを。
「買いませんよ〜。お金ないですし」
私は颯人先輩に困ったように笑ってぬいぐるみを棚へ返す。
お金がないのは嘘。
買わないための口実。