ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


小ばかにしたような笑い声。

斜め後ろを振り向くと、さっきのイケメン顔がわたしを見ている。


な、なに…??


「…い、今、笑いましたか」

「…ん?うん、笑ったね」


ニコっと、反則級の笑顔を向けられる。
ただ、すこし小悪魔が入ったような、そんな笑い方だった。


「朝比奈さん、下の名前なんだっけ」

「え?」


下の、名前…?


「…ゆい、です。朝比奈 結」

「ゆい? ふーん…」


な、なに!?

本気で何なの!?このイケメンの考えてることが分からない!!




「…こども、だね」



コ ド モ ダ ネ 。



にや、と、こちらに向けられた笑顔は、さっきおじさんと話していた時には絶対見せなかった顔。
屈託のない笑顔なんかじゃなくて、ただわたしを「こども」とバカにしたような、今のこの人が放った言葉がぴったりな笑顔だった。

つまり、今わたしは、この人にバカにされたのだ。









< 11 / 70 >

この作品をシェア

pagetop