ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
真大のいう『こども』って、どこまでを言うんだろう。
わたしはこども。こんなマニキュアを塗ったくらいじゃ変わらないのかな。
じゃあ真大と同じくらい『大人』な人ってどんな人なの?
「…ん。いいよ結。次右手ね」
「はい」
って、わたしにはどうでもいいことだけど!
べつに真大にとってわたしが子供であっても関係も何もないわけだし!
でも、ムカつくけど、この間の風船のことはずるい。
あんな笑顔を向けられたら、わたしだってかっこいいって思っちゃうよ。
「…ねぇ、美佐子」
「んー?」
…美佐子には、なんか聞いてほしい気分。
「あのさ、真大がさ、なんかこの間さ」
「んー」
「…こどもに風船とってあげてたの。背、高いんだよ」
「へー………」
今マニキュアを塗ってる美佐子にとってはわたしの声しか聞こえていないのか。
まぁ、いいけど。
明日は金曜日。久しぶりのバイト。真大のシフトも入ってた。
だから、明日は会えるんだ。
…いや、別に会いたいわけじゃないんだけど。
「はい!できた。良いじゃん、似合うよ」
「ありがとう美佐子」
「いえいえ」
…この爪、気づいてくれるかな。