ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
「結~?どうしたんだよ、今日はボーっとしてんぞ??」
太陽が沈み、子供たちが少なくなってきた時間帯。
真っ暗の中で光るイルミネーションの光をあてにしながら、真大はわたしの顔をのぞき込んできた。
「ごめんって。今日遅れてきたこと怒ってる?」
「…」
「や、って言っても俺、そんなに遅刻したわけじゃないよ??」
「彼女と電話してたんでしょ?」
「…………」
自分が、聞きたいと思って聞いたわけじゃなかった。
べつに真大が誰と付き合っていたってわたしには関係のないことなわけだし、別に遅れてきたことに怒ってるわけじゃないし。
でも、さっきの言葉は完全に油断の中から出た言葉だ。
「…や、別に怒ってないから。謝んないで」
「…」
あぁ、なんでもっと優しく言えないんだわたし!今更優しくするつもりなんてさらさらないけど!
それにしたって、怒ってないとか言いながらこの態度は自分でも腹が立つ。
秋の風が、寂しくわたしたちを包んだ。
真大は黙っていた。その風が去っていくまでは。
…去っていったら、少し、うつむいて
少しだけ、笑って言ったんだ。