ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
だ、大丈夫って…。
真大はそう言うけれど、一緒に帰るなんてそんなの初めてだし!
そもそも彼女いるのに…わたしなんかと帰ったら…。
「…彼女に、怒られるんじゃないの?」
わたしなら、きっとヤキモチ妬いちゃうから。
優しいところは好きだけど、本当は二人で帰るのなんか嫌だ…って。
「バーカ!そんなこと気にすんなよ。それよりも本当に遅いからダメ。ちゃんと送り届ける」
「……」
「それよりほら、あと少し、早く終わらせてしまうぞ」
「うん…」
…どうして、彼女と真大はうまくいってないんだろう。
こんな人が彼女とうまくいかなくなるときってあるんだ…。
わたしには憎まれ口をいちいち叩いてくるけど、きっと彼女には優しいんだろうな。
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それから30分もしないうちに、わたしたちの残業は終わった。
きれいになったイルミネーションを背に、わたしたちは事務所の社員さんたちに挨拶をして遊園地を後にした。
「お疲れ様でした~」
「ほーい!気を付けてね~」