ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
『ほんとは人のことを思いやれるやつなんだよ』
…。
ヤキモチ妬くかも、って、わたしは思っていた。
だってわたしがそうだと思ったから。
こんなにかっこいい彼氏がいて、わたしはバイトで二人一組でコンビをくんでる人で。
はっきり言ってうまくいってない彼女よりも近くにいるから。
…それは、大学生の余裕、なの?
「…高校生、って…」
「…ん?」
「ううん、なんでもない」
高校生のわたしは、人を思いやることって出来るのかな。
もし大学生になって、彼氏がこんな状況になったら、なにも言わずに分かってあげられるのかな。
「いいやつなんだけどな。俺がいろいろ言っちゃうから、きっと優歩もどうすればいいか分からなくなってんだろうな」
「…そっか……」
わたしには、真大と彼女がどうしてうまくいってないのかなんて分からないよ。
でも、こんなに真大がわたしに話してくれたのは初めてだから。
…でも。
なんだか変な気分。
「…あ、わたし、ここ曲がったら家すぐだから」
「ん?あぁ、そうなんか。案外近くだったな」
「うん」
彼女とも、こうやって歩いてんのかな。
わたしにするみたいに、家まで送り届けているのかな。
「ありがと、真大」
「ううん、良いんだよ」
…なんなんだろう。
この気持ちは。