ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
今日はなんだかんだで初めての休日のバイト。
親子連れ、カップル、友達、たくさんの人がこの遊園地に集まっている。
「トリック・オア・トリート!」
「はーい!ハッピーハロウィーン♪」
わたしは相変わらず魔女の格好をして、ドラキュラの真大と一緒にスタンプを押していた。
「結もこのくらいの子供と変わんないな」
「は!?バカにしないでよ」
「ははは」
もう!ほんと事あるたびにからかってくるんだから!
「うわぁぁーー…ん…」
真大と言い合いをしていたのもつかの間。
突然聞こえてきた大きな鳴き声。
「うわぁぁあああー…!ママぁー!!」
声のする方を見ると、4歳くらいの女の子が一人で泣いて立ち尽くしている。
顔は涙でべちゃべちゃ。ママははぐれちゃったのか、周りには見当たらない。
「ママぁー…ママぁ…」
うーん…。とりあえず一緒にいてあげなきゃ…。
「もしもし、どうしちゃったの?ママとはぐれた?」
真大と一瞬顔を合わせて、わたしと真大は女の子の方に歩いて行った。
ママのことを叫んでばかりで、わたしたちのことはお構いなしって感じ。