ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
「良い男じゃん。どうして、彼女はこんな良い人とだめになっちゃったんだろうね」
「…まだ、別れたわけじゃないらしいけどね」
「……きっと、うちらには分からない事情があるんだろうね」
…分からない事情、か。
たしかにそうなのか知れない。
わたしには、真大とダメになる理由が浮かばないし。
でも、遠距離恋愛の辛さはもっとわからないから。
「…やっぱ、わたしは真大の言う通り子どもなのかも」
「お、なに認めてんの、急に」
「…なんとなく、ね」
バイトまでの3日間、真大の笑顔だけが、わたしの頭にコダマするように浮かんできた。
一番初めの、むかつく印象よりも先に、笑顔が飛び出してくる。
こんなの、初めてだ。
―…でも、わたしのバイトが予定の半分くらいが終わったころだろうか。
真大の、その自然な太陽のような笑顔は、変わってしまったんだ。
その理由は、わたしはこの時分かっていたのだろうか。
それとも、心から疑問に思っていたのだろうか。
ねぇ、真大。