ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


「あー………」


真大から逃げないように、目は逸らさなかった。
そんなわたしに、真大はまるでブラックコーヒーのように苦い笑顔をわたしに向けた。

キュン、じゃない。

ドクン、と鳴った。




「…彼女と、別れたんだ………」




わかれた。まひろが、かのじょとわかれた。

そんなこと分かっていた。だって真大をあんなに笑わせていたのは彼女。優歩さんの存在だもん。

それが消えてしまった今、なにが足りないのかはわたしには分かっていた。
でも、きっとそれが本当か知りたくて、わたしは真大に確認したんだ。


「なんか、もうダメなんだって。離れたら、距離が辛いって。この間、あいこちゃんに会った日の夜に電話で言われたんだ」

「……」

「きっと、優歩も辛かったんだろうな。俺がなかなか会いにいってやれないから」

「……」



完全に、笑顔なんか消えていた。

真大の、太陽のような笑顔が消えた。

泣きそうになるのを、必死に抑えてる顔だった。


「ダメだよな!こんなんバイトに出してたら!さー!あと2時間がんばろー!」

「……」



真大、まひろ、まひろ…。



わたし、子どもだから。

なにも言ってあげられない……―













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