ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
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真大の笑顔は、時間が過ぎるたびに無くなっていった。
わたしがなにかバカなことを言ってもなにも反応しないし、子どもだってからかってくることもなくなってしまった。
「…真大、どんどん元気なくなってる」
「真大さん?」
「うん」
美佐子に何回か相談したけど、「失恋はしかたないよ」と言われてしまった。
わたしは今まで、失恋なんかしたことはなくて、どっちかっていうと告白した人たちを振る立場だったから、好きな人に振られてしまうってことがどれだけ辛いのかは正直分からない。
でも、わたしも辛いって思っているのは、きっと真大からあの笑顔が好きだからなんだ。
なんなんだろう、この間から、わたしは。
どうして、落ち込んでいる真大を見るのがこんなに辛いんだろう。
「…わたし、真大が笑ってないの、やだ……」
「…」
「あの真大が…笑わなくなるって…。それだけ彼女のことが好きだったんだなぁ…」
「…結」
そうだ、それだけ、真大は彼女のことが好きだったんだ。
わたしなんかじゃ元気にさせられないくらい、真大は…。
「…結、何泣いてんの………」
「…っ…。うー…。真大のバカぁ~…」
…ダメだ。やっぱり心が痛い。
真大のこと考えるだけで、胸をギュッとつかまれたみたいになる。