ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
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「今日はフォーチュンクッキーを作りますよ!」
家庭科室に着くと、家庭科の可愛らしい先生がわたしたちを迎えた。
黒板に書かれた『フォーチュンクッキー』という文字は、わたしの頭の中にたくさんの『?』を思い浮かばせる。
フォーチュンクッキー…?
「…って、何?美佐子」
「は?あんたフォーチュンクッキー知らないの?」
「うん」
何かの歌のタイトルになってたことくらいしか知らない。
なんなの?フォーチュンクッキーって。
「今日作るフォーチュンクッキーというのは、クッキーの中に運勢が書かれた紙片を入れたお菓子のことです。アメリカとかカナダの中華料理店ではよく出てくるらしいんだけど、食べたことある人いるかな?」
クッキーの中に運勢が書かれてある紙が入ってるの?
食べたら、その書かれてあることが分かる、っていうクッキーてことか。
「今からざっと作り方を説明しますね。まず、何より肝心なのがこのメッセージが書かれた紙。一人3枚ずつ作るので、まずはこのシートに何かメッセージを入れてください」
………メッセージ…。
そっか、何も、運勢だけじゃなくて、自分が書きたいこと書けばいいんだ。
そしたら、食べるたびにこのメッセージが読めて…。
なんだ、そっか、これだ。
わたしが真大にしてあげたいこと、これだったんだ。
そうだ、よし、これを使おう。
「美佐子!!わたしいいこと思いついた!!」
「え?」
これを、真大に渡そう!
もちろん、今初めて作ったものじゃなくて、家に帰ってもう一回試すんだ。
そして、今度バイトに行くときに絶対渡すの。
わたしは、熱心に作り方をメモった。
分量も間違えずに、ひとつひとつ丁寧に。