ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
「あのね、あといっこで、ぜんぶあることになるよ」
「おー!ほんとだな!すごいな海斗くんは」
「へへへ」
海斗くんの会話の相手は真大が、わたしはお母さんの相手をしながら一緒に遊園地を回っていた。
パンプキンをかぶってる人はなかなかいない。
10分歩いても見当たらなかった。
でも、きっといないってことはないだろうから、どこかにはいるんだろうけど……。
「トリック・オア・トリート!!」
「…!」
大きな観覧車を見つけたころ、近くで子供たちの声がした。
わたしたちのところにはいないはずだから、これはきっと…。
「あ!ママ!かぼちゃだ!!!」
海斗くんが指差した方を見ると、そこには確かにオレンジ色をしたパンプキンがいた。
音楽に乗って、玉乗りをしながら子供たちを迎え入れている。
パンプキン…。こんなに遠くに来ていたのか…。
「良かったね、海斗!魔女さんとドラキュラさんにありがとうは?」
「いえいえ♪ハッピーハロウィン!!」
パンプキンに会えた海斗くんは、嬉しそうにわたしたちのところを去って行った。
ついでにやってきたこどもたちのスタンプを押して、わたしと真大はまたもとの場所に戻る。