ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。



「はぁ~!まさかあんなところにいるなんてなぁ。パンプキンももっと子供には優しくしろっつの」

帰り際、真大は疲れたといって背伸びをした。
ドラキュラのマントも随分重いらしい。


「まぁまぁ、だから楽しいんじゃん。真大。また保育士さんの本領、発揮してたね」

「まぁ。まだ保育士ではないけどな」

「あ、あぁ、そっか」


でも、優しい真大はやっぱり好き。
子どもを見て、元気になれる真大がわたしは好きだから。

…そうだよ、この真大が好きなんだよ、わたしは。


「…真大が、元気だ」

「あ?」

「元気な真大の方が、わたしは好きだから」



告白だ、って、その時に気付いたわけじゃないけど。

でも、わざと伝えたってのはある。
もしかしたらもう、開き直ってたのかもしれない。



「…昨日は言い逃げしてごめん。でも、今日こんな空気で良かった」

「…うん」

「わたし今日、怖くてお腹壊しちゃったんだよ」

「ぶ…っ!だから子どもか、お前は!!」


ははは…と笑って止まらない真大。

そうそう、それだよ。それが、見たかったの。



「…笑った!」

「………;」



真大、ごめんね。


好きだよ。























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