ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
「ごめんな…。昨日は、お前が逃げるから何も言えなかったけど…。優歩と俺は、嫌いで別れたんじゃなくて…」
真大が真剣な目をして、わたしに向き合ったのは笑顔が途切れた次の瞬間のこと。
心臓がまた動いたけれど、わたしはもう割り切っていた。
だって、もう真大の返事は分かっているから。
「うん、知ってるよ。お互いのために別れたってことなんでしょ?」
真大ならそうするって、わたしは思ってるから。
彼女のこと忘れられないのなら仕方ない。
すぐに他の人のところに行くより断然わたしの好きな真大だ。
「…振られるのは、わたしだって覚悟してたから」
「うん…」
「大人、でしょ?」
「そうだな」
「こんな可愛い子振るなんて。真大の人生の中ではもう一生ないことなんだからね」
「なんだと?失礼な」
そんなことない、と真大は笑った。
そう、その笑顔が好きだから。そのまま笑ってほしいんだ。
真大に想いを届けて良かった。真大を好きになれてよかった。
真大のために頑張れてよかったんだ、わたし。
これで、良かったの。真大が元気になってくれたから。
これから最後まで、ちゃんとこのまま、頑張れる。