ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


【バイトラスト2日目】 ~涙がひとすじ~



****



バイトラスト2日目。

「こんにちは!」

「おぉ!こんにちは朝比奈さん!今日もよろしく頼むね!」

「はーい!」


終わりが近くなったからって、なにか特別のことがあるとかそんなんはない。
いつも通りに始まって、いつも通りに終わっていく。

今日もわたしは魔女に返信して子供たちにスタンプを押す。

ただ、それだけ。


「すんません遅れました!」

「真大!」

「よぉ、結」


真大もいつも通りだ。
もう普通に元気だし、むしろ明るくなった。

良かった、本当に。


「はやく行こう!働かないと!!」

「お?何そんなやる気になってんだお前」

「いーの!!」


このまま続いていけば良い。こうやって、優しい真大のそばにいたい。
ただそれだけなのにな。

これは叶うことなく終わっていく。



…前を歩く真大。

背が高くて、わたしは知らない世界を見ているような人。

広い肩幅、少しだけ飛びつきたくなった。













< 57 / 70 >

この作品をシェア

pagetop