ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
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「結、こっち!!」
「ちょ、真大待ってよ…。わたし真大みたいに足早くないんだから…っ」
はぁはぁと息をきらすわたし。手にはお弁当。バイト先から与えられるものだ。
真大がいきなり「裏庭で食べよう」と言い出したから、それに付いてきたんだけど…。
もうわたしはクタクタ。なんでこんなに体力あるの…。
真大だっておじさんの大学生のくせに!!
「何やってんだよお前~。運動不足か?」
「ちがうし!真大の足が速いんでしょ!?」
ムカつく~!絶対彼女にはこんなことしないもんね!
もっと優しくするもんね!ちゃんと待ってくれるもんね!
「ったく、どうしようもない子どもだな。ほら、来いよ」
「うー…」
真大に連れてこられたのは、裏庭の涼しい場所。
木々が緑の世界を作り出していて、裏庭にあるのはもったいない場所だった。
そこに腰を下ろした真大。
ここで二人でお弁当を食べようっていうのか…。
「きれいだろ?お前が好きだって言い逃げした日に掃除ついでに見つけたんだ」
「ば…っ!べ、べつに言い逃げのことは言わなくて良くない!?」
なななななに言ってんの!!ムカつく!!
こんな時に…忘れたときにそうやって持ってきて…!!