ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


【バイト最終日】 ~メッセージの返事は~


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真大は相変わらずいつも通りだった。

今日は10月31日。ハロウィン当日。
お化けの役割が終わると同時に、わたしの役割も終わる。


今日は、バイト最終日だ。



「結、ちゃんとお菓子も持ったか?」

「うん。ちゃんと持った」

「よし、じゃあそろそろ時間だから子ども呼んでお菓子配るぞ」


ハロウィン当日の最大イベント。
今年は木曜日だったからお客さんは少ないかなて思ってたけど、小学生の修学旅行がかぶっているのか、いつもの平日よりも多く感じた。


今日でわたしの魔女姿は見納めになる。真大のドラキュラも。


この後、仕事が終わったら、中下さんたちが打ち上げをしてくれるらしい。
そこで真大とはお別れになってしまう。


「…」


この間、彼女から電話かかってきてから、真大はどうなったのだろう。

いつも通り過ぎて、どっちなのかわからない。

一番初めに出会ったときの笑顔と変わらなさ過ぎて、本当に分からない。
わたしの予想じゃ何も考えられないくらいだ。
































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