ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
「ゆい?どうした、具合わるいか?」
「え、ううん。大丈夫…」
「そっか。だったらもっと声張れ。聞こえねぇよ」
そう言って声を出して子どもの呼び込みをする真大。
…真大は、寂しくないのだろうか。
ま、そんなわけがないか…。
「さぁ~!僕たちにアノ言葉を言ったらお菓子がもらえるよ、ぜひ寄って行ってねー!」
ねぇ真大、分かってる?
今は当たり前のように会っているけど、今日でもうわたしたち会えなくなるんだよ?
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「っくあー!つっかれたー!!!」
31日、19時30分。
わたしたちの期間限定バイトは無事終了した。
事務所のソファにゴロンと寝転ぶ真大。
わたしはメイクを落として、今までお世話になった魔女の服を脱ぎ捨てた。
もう、この衣装をすることはないのかもしれない。
「真大、このあと打ち上げだよ。準備しなきゃ」
「あ?あぁ、そうだったな」
よっこらしょ、と
おじいちゃんみたいな声を出しながら着替える真大。
この後の打ち上げが終わったら、もう本当に終わり。
…また、泣いてしまったらどうしよう。