ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


「ゆい?どうした、具合わるいか?」

「え、ううん。大丈夫…」

「そっか。だったらもっと声張れ。聞こえねぇよ」



そう言って声を出して子どもの呼び込みをする真大。

…真大は、寂しくないのだろうか。
ま、そんなわけがないか…。


「さぁ~!僕たちにアノ言葉を言ったらお菓子がもらえるよ、ぜひ寄って行ってねー!」


ねぇ真大、分かってる?

今は当たり前のように会っているけど、今日でもうわたしたち会えなくなるんだよ?









****




「っくあー!つっかれたー!!!」



31日、19時30分。

わたしたちの期間限定バイトは無事終了した。


事務所のソファにゴロンと寝転ぶ真大。
わたしはメイクを落として、今までお世話になった魔女の服を脱ぎ捨てた。

もう、この衣装をすることはないのかもしれない。


「真大、このあと打ち上げだよ。準備しなきゃ」

「あ?あぁ、そうだったな」



よっこらしょ、と
おじいちゃんみたいな声を出しながら着替える真大。

この後の打ち上げが終わったら、もう本当に終わり。


…また、泣いてしまったらどうしよう。











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