ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
6
打ち上げは、近くのイタリアンのお店だった。
未成年のくせに、中下さんからお酒を進められている真大。
大学生なんてそんなもんだと言っていたけど、まだお酒を飲んだことのないわたしにとっては少し怖い。
オレンジジュースを飲みながら、楽しそうに話している真大を見ていた。
中下さんはもう酔っぱらっていて、それに捕まってしまっている。
わたしも真大と話したいけど、そうもいかないようだ。
おしゃれなこのイタリアンの居酒屋。
周りにはおしゃれなカップルもいる。大学生のようだ。
彼女は茶髪にパーマを当てて、短いスカートから白い足をのぞかせていた。
…大学生ってだけで、こんなにも違うのか。
目の前で楽しそうに笑う真大のきっともうこんなに大人で、高校生のわたしはまだまだ子ども。
「…あの。ちょっと出てきます」
外の空気でも吸いに行こう。
このままじゃわたし、自分の虚しさにどうにかなりそうだ。
わいわい騒ぐみんなを残して、わたしは居酒屋を少しだけ出た。
「うわ、さむ……」
10月の風は冷たい。いつも帰るときに感じてるはずなのに、今日は一段と冷たく感じたの。
肩にかけていたストールを椅子に忘れてきた。
まぁいいか。少し寒いくらいが、こころを冷やすのにもちょうどいい……。
「そんな恰好で出てると、風邪ひくぞバカ」
「……!」
夜空に響く声が聞こえたと思ったら、肩にばさりと重さがかかった。
…。これ、わたしのストール……。
「何ひとりで出てんだ。危ないだろ」
「…真大………」