ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。
どうして、こんなところに真大が…。
さっきまで中下さんと一緒にいたのに。
「…今。一人になりたかったんです!」
「ほぉ?ごめんなさいね、来てしまって」
…ばか。
そう言いながら、隣に座るなよ。もうほんとにずるい。
ビュオっと、冬に近い風がわたしたちの間をすり抜けていく。
真大は何も言わない。ただコートにくるまってわたしの隣に座っていた。
「…ねぇ、真大」
だから、わたしから話しかけてやる。
わたしの1人の時間を邪魔したんだから、とことん付き合ってもらおう。
「真大は…」
…彼女と、どうなったの?
「…なに?」
「……」
だめだ、聞けない。怖い。
返事を知ったら、わたしはもうきっと真大から離れられなくなる。
「……なんでもない…」
「結にさ、」
「…!」
真大から、話しかけてきた。
な、なに………。
「結に、渡したいものあって」
「……え」
わたしに、渡したいもの…。
なあに…?