ひねくれ者が集まって。
「たっだいまーっ!」

・・・。

倉庫に着くと、さっきまでの怯えていた表情とはうってかわって、元気いっぱいの日向の様子が。

なんか、私が助け舟出さなくても良かったんじゃ・・・。

「美華ちゃん!早く行こー!」

「え?あ、ちょ、」

日向に引っ張られて、駆け足状態で階段を登り、昨日来た部屋へ。

・・・なんで私助け舟出したんだろ。

日向めちゃくちゃ元気じゃん。

「美華ちゃん!ここはね、幹部室っ!」

ん?

「かんぶ室って?」

「んー・・・。幹部室!」

意味わからん。

やっぱり国語苦手なんだ。

と言うか、これより酷い葵って一体・・・。

「幹部室は幹部以上でないと気軽に入れない部屋だよ。」

あー。

なるほど。

「さすが蓮。」

すっごくわかりやすい。

「ちなみに簡易キッチンもあるんだよ。」

へー。

なんでもあるのね。

「蓮ー。腹空いたからなんか作って頂戴よー。」

「・・・ しょうがないな。」

そう言って蓮は簡易キッチンへと足を運んだ。

蓮って料理できたんだ。

いや、できないことの方が珍しいと思うけど。

でも、ご飯はみんな颯の食べてたのに。

どうして今は蓮なのかしら。

別に、悪いことをやっているワケじゃないし、いいんだけど・・・。

イマイチ、腑に落ちない。

何かしらの事情があるのか、たいしたことはないのか。

どっちにしたって、聞く意外に真実を知る方法はなさそうだけど。

「・・・。」

臆病者は、聞けないのよ。
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