ひねくれ者が集まって。
「みんなー!おかえりー!」

日向はそう言って、下っ端君達に駆け寄って行く。

・・・。

日向は器用だ。

一番口に出しているのに、一番触らない。

擦りもしないほどに。

「おかえりなさい。」

そう言って、私も近づいて行く。

「あ、美華さんまでわざわざ来てくださったんですか?!」

そう言ったのはアキ一人だったけれど、他の人も驚いた顔をしている。

え?

何に驚くのよ。

「ただいまって言ったらおかえりなさいって返すのって、当たり前でしょ?」

何より、私は自分がそう言われたら嬉しいから。

「・・・ありがとう、ございます。」

アキはそう言うと照れ臭そうに笑った。

・・・お礼なんて、必要ないのに。

でも。

「ありがとう、アキ。」

誰かに感謝されるって、すっごく嬉しい。

「美華さんって、不思議ですね。」

ポツリと、誰かがつぶやくように言う。

・・・後で名前聞かなくちゃ。

でも今は。

「どこらへんが?」

“不思議”の意味が気になって仕方が無い。
< 110 / 144 >

この作品をシェア

pagetop