ひねくれ者が集まって。
「ええっと、わざわざおかえりなさいって言いに来てくださったり。」

「意味はよくわからなかったけれど、感謝の言葉を言ってくださいますし。」

「言動の一つ一つから、たくさんの勇気をもらいます!」

いろいろな人が口々に嬉しいことを言ってくれる。

ああ。

なんて幸せなんだろう。

でも、さっきも言った気がするけれど。

おかえりなさいって言うのは当たり前でしょ?

だって。

「私はね、おかえりなさいって言われたら嬉しいの。」

まるで。

「自分が、迎えられているんだって。ここに自分の居場所があるんだって思えるから。」

皆がここに居ていいか。

それを決める権利は、私には無いと思うけれど。

「私は、皆にここに居てもらいたいから。」

だから、どうにかして、それを示したくって。

それを示すには言葉以外の方法が、私には分からなくって。

それで。

「“おかえりなさい”って、言わせてもらったの。」

“おかえりなさい”

たった七文字の言葉にどれだけの意味が込められているかは、人それぞれだけど。

私は・・・たくさんの気持ちを詰め込んでいるの。
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