ひねくれ者が集まって。
「・・・酷い。」

え?

ちょ、日向?!

何で若干うる目になってきてるのよ!

「たかがホットケーキで泣かないのー。」

そしてホットケーキを渡した張本人の一人である葵が日向を慰めている。

・・・何でホットケーキ渡したのよ。

というか、罪悪感があるなら自分のホットケーキ渡せば良いのに。

「されどホットケーキだもんっ!」

日向もさぁ・・・。

・・・あ!

「日向、私のホットケーキ半分こする?」

我ながら良い案だと思うのだけれど。

「いいのー?!」

「うん。」

なんか、日向の目めちゃくちゃキラキラしだしたんだけど。

子犬みたいなんだけど!

「美華ちゃん優しー!」

「うわぁ!」

ちょ、日向!

いきなり抱きつかれたらビックリするじゃない!

「ありがとー美華ちゃん!僕美華ちゃん大好き!」

・・・ストレートだな。

これ絶対日向じゃなきゃ言えないよね。

「ふふ。私も。皆大好きよ。」

“大好き”

なんて。

いつ以来かしら?

言ったのも、言われたのも。

きっと、あの時以来よね。

思っているだけでは、気持ちは伝わらない。

けれど、言葉にしたって、相手が真剣に受け止めてくれるかどうかもわからない。

だけど。

言葉にできないことほど、寂しい事は無いと思う。

だから。

言葉に出来る。

それだけで、私はもう十分だ。

もし、真剣に受け止めてくれなかったら、もう一度言葉にすればいい。

その気持ちはいつか必ず。

相手に届くはずだから。
< 114 / 144 >

この作品をシェア

pagetop