ひねくれ者が集まって。
「ごちそうさま。」

いつでもマイペースな私は、案の定食べ終わるのが一番遅かった。

さすが男子高校生。

胃袋が違う。

「美華ちゃん、美味しかったー?」

首を傾げながら問う日向は、とても可愛い。

常に何気ない仕草が、いちいち可愛い。

もはや、計算なのか天然なのか癖なのかわからないほどに。

「ええ。とっても美味しかったわ。」

蓮ってやっぱりすごい。

あんなに美味しいものを作れる蓮って、絶対に私よりも女子力あると思う。

「そういえば、美華って門限いつだ?」

颯が今気づいたと言うような顔で言った。

門限・・・。

昔はまっすぐ家に返ってたから、門限なんて無かったし。

第一。

「私、一人暮らしだから。門限なんて無いわ。」

まぁ7時には家に居たいって言うのもあるけど。

楽しい時はできるだけ長く続いて欲しい。

これもただの、わがままだけど。

「・・・寂しくない?」

遠慮がちに聞いているのか、ただいいつもの話し方で聞いたのか。

よくわからない聞き方を、透がしてきた。

“寂しい”、か。

最後に自覚したのは、いつかしら?

ずっと、気づかないようにしていたから。

もう、どんな感覚かなんて、覚えてないわ。

「いいえ。私は大丈夫よ?」

大丈夫、大丈夫。

何度も何度も言い聞かせてきた言葉。

「・・・そう。」

安心した子供のような透の笑顔に少し驚く。

・・・こんな表情するんだ。

いつも、何を考えているか、分からない顔をしていたから。

何か、新鮮。
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