ひねくれ者が集まって。
~神崎颯side~

「・・・ダメッ・・・。」

そう呟いて小桜美華は崩れるように倒れた。

「美華ちゃん!?」

急に倒れた小桜美華に驚く日向。

「え?どうしたの。」

ドアの前にいて、状況がつかめない葵。

「やりすぎたね・・・。」

自分の過ちを後悔する蓮。

「・・・保健室に運ぶ?」

冷静に状況を判断する透。

「・・・っ。」

ただ立ち尽くすだけの、俺。

ちがう。

こんな目にあわせたかったわけじゃない。

ただ。

ただ俺は・・・っ。

守りたかった。

こいつらを。

仲間を。

‘敵’から。

守りたかっただけなんだ。

「颯。立ち尽くしてないで。早く、美華ちゃんを保健室へ運ばないと。」

っ!

そうだった。

蓮の言葉で思い出した。

ここでの俺は。

「ああ。透、運んでやれ。」

強くなくちゃ。

「・・・ああ。」

透はそのまま黙って小桜美華を抱き上げた。

そしてそのままぞろぞろと、保健室に向かう。

廊下に出れば何事?っと言う目で見られる。

まぁ、当然だろうな。

俺らが全員そろっていて、女抱き上げて歩いているんだから。

保健室になんのためらいもなく入っていけば、やる気のなさそうにあくびをした保険医の橘羽月(タチバナハヅキ)が居た。

コイツは、俺らが心を許した教師だ。

「?!何だ?!何事だ?!つーか、その女の子・・・小桜じゃねーか。」

焦りすぎだし。

だけど・・・。
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