ひねくれ者が集まって。
~美華side~

「でも、僕はやっぱり呼び捨てしてほしいなー!」

「うん。美華ちゃんになら呼ばれたいよね。」

「つーかフルネームうぜぇ。」

「だねー。」

「・・・ああ。」

そっか・・・。

じゃあ、呼ばせていただこう。

貴方達の大事なもの。

「うん・・・。私も、呼び捨てでいいよ。」

この時、数年ぶりに本当に笑った気がした。

「やっと笑ってくれたね。」

その時蔓延の笑みになった日向の顔も。

「笑うともっとかわいいねー。」

不気味に微笑んだ葵の顔も。

「・・・その方が良い。」

目を細めて落とすように笑った透の顔も。

「うん。何時も笑っていてよ。」

爽やかに笑った蓮の顔も。

「俺らと居れば、もっと笑えるぞ?」

試すように笑った颯の顔も。

全部全部、本物だと思えた。

< 36 / 144 >

この作品をシェア

pagetop