ひねくれ者が集まって。
「用事がそれだけなら私はもう帰らせて頂きますね。」

うん。

これで良しっと。

そして、ドアへ足を運ぶと。

「そーゆーわけにはいかないんだよねー。」

大羽葵がその屋上唯一のドアにもたれかかった。

意地でも通らせない気か・・・。

「・・・はぁ・・・。じゃぁ、自由に質問してください。ただし、それが済んだら帰らせてください。」

本当。

何なんだよ今日は。

転校初日でこんなめんどくさいことに巻き込まれるなんて思ってなかった。

「じゃぁ早速。どうしてこの学校に?」

・・・。

どうして冬月蓮は眼鏡をかけているのだろうか。

なんだかレンズ越しに、心理を見抜かれそうだ。

「この高校は、女子の授業料が安いので。」

これは本音。

これ以外にこんな不良高校に来た理由なんてない。

「じゃぁ次。どうして転校してきたの?」

・・・。

うーん。

言っていいのかな?

「前の高校で・・・ちょっと問題を起しちゃったのよ。」

本当。

たいしたことない理由。

「ちょっとした問題ってー?何々ー?きになるー!」

っ!

煩い・・・。

どうして海馬日向の声はこんなにも頭に響くのだろう。

暫く黙っていてほしい。

「いや・・・別にたいしたことじゃないんで。」

というか、このことは封印しようと思ってたんだけど・・・。

「あ?テメー勿体つけずに言えよ。」

神崎颯はギッと睨んでくる。

この人、脅せば言うと思ってんの?

私はそんなへぼくないし。
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