ひねくれ者が集まって。
「もしかして、はめた?」

「今頃気づいたの?」

・・・蓮ひどい。

私、信じちゃったじゃない。

「美華ちゃんって冗談通じないの?」

蓮の問いかけに、過去を振り返る。

・・・。

・・・。

・・・うん。

「私、結構騙されて生きてる。」

なんか、ショック。

「かわいいねー。」

葵はそう言うと、わたしの前に座って、私の頭を撫でる。

なんか、子供扱いされてる気分なんだけど。

「美華ちゃんって妹にしたら面白そう。」

蓮は、楽しそうに笑いながら言う。

妹、か。

私が蓮の妹なら、毎日いじめられそう・・・。

「美華ちゃんって兄弟とかいないの?」

そう問いかける蓮のレンズの奥の瞳がたまらなく鋭く思えて、息を飲む。

例えるなら、獲物を見つけた蛇のような目。

兄弟。

私には、居ない。

どんなに、あがいても。

もう、手遅れだ。

「いないよ。」

そう、居ないの。

「皆は?」

居ないの?

「俺は一人っ子だよ。」

蓮は、イメージ通りだな。

「僕もー。」

ああ、日向もなんだ。

お兄ちゃんとか居そうなイメージだったけど。

「・・・兄が一人。」

へー。

透は弟なんだ。

下に妹が居そうな感じだったけど。

「俺はババァが一人。」

「いや、お姉さんでしょ。」

まだまだ若いし。

「俺も上に姉がいるよー。」

「え?葵も?」

葵は上だと思ってたんだけどなー。

私、勘悪いかも。

《キーンコーンカーンコーン》

あ、もうお昼終わりか。

「行くぞ。」

そう言って颯が立ち上がる。

あ、教室戻らなきゃな。


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