【完】白衣とお菓子といたずらと
結局、余計な心配は要らなかった。


なんだかんだで疲弊していた体と、久しぶりの住み慣れた我が家という条件が相まって、布団に潜ると同時に眠りについてしまった……らしい。だって、さっさと眠ってしまった人間には分からないことだから。


俺より後から眠った彼女が教えてくれた。本当に、情けないよな。


要するに、あの後はほとんど話もすることなく一日が終わってしまったということだ。


まぁ、これから知っていけばいいことだろう。


次の日の日曜、今日も学会があるからと朝早くに帰っていってしまった。


ご丁寧に、朝ごはんまで作って。


バタバタと出て行った彼女を見送ったあと、玄関先で急に寂しさを感じた。


その寂しさをかみ締めながら、久しく食べていなかった家庭の料理を１人で食べた。温かくて、美味しい朝食は、なんだか心にしみた。


あーあ、本当なら彼女と食べたかったんだけどな。


ノロノロとしていた俺が悪いよな。自分の行動を振り返り、苦笑が漏れた。


「また来ます」


そう言って帰っていった彼女の言葉を信じて、期待することにしよう。


もっと彼女と過ごしたいし、色んな彼女を見たい。





そうしたら、今度こそ……




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